すぐにブレーカーを上げたくなるかもしれませんが、ちょっと待ってください。まずはどのブレーカーが落ちたのかを記録しましょう。また、落ちた時間も記録してください。後の調査に必要になります。
次に、なぜ落ちたのかを確認する必要があります。漏電ブレーカーの場合、落ちる理由は大きく分けて2つ、漏電か過電流(使いすぎ もしくは ショート)です。漏電ブレーカーには「漏電表示」があり、漏電で落ちた場合はその表示が出ています(表示がない場合もあります)。そうでない場合は過電流で落ちたと考えられます。ブレーカーが漏電ブレーカーではない場合(安全ブレーカー)、落ちる理由は過電流だと考えられます。
落ちたブレーカーが主幹用だった場合、どうしたらいいでしょうか。まず、子ブレーカー(分岐用のブレーカー)をすべて切ってください。この時、すべてのブレーカーについて、元の入切状態を確認しておく必要があります。写真に撮っておくと良いでしょう。次に、主幹用のブレーカーを入れます。(「落ちたブレーカーの入れ方」を参照)その後、子ブレーカーを1つずつ順番に入れていきます(元々切っていたものは入れません)。1つのブレーカーを入れてから次のブレーカを入れるまでに数秒開けてください。ブレーカが落ちたところが、原因となる回路だということになります。その回路のブレーカーを切り、他のブレーカーをすべて元の状態に戻すことで、問題のない健全な部分について復旧させることができます。
ブレーカーが落ちた原因に心当たりはありますか。もしあれば、その原因を排除してください。それから復旧を試みます。ブレーカーが入っても、数分間は様子を観察します。再び落ちないようであれば、対応完了と言えるでしょう。ただし、起きた事柄に関して電気主任技術者にご一報くだされば助かります。
もし再び落ちた場合はどうするべきでしょうか。落ちる原因にほかの心当たりがあれば、その原因を排除して再度復旧を試みることもできます。しかし、何度も繰り返すとブレーカーが壊れたり機器が焼損したりする可能性があります。復旧ができない場合はすぐに電気主任技術者(またはコールセンター等)へご連絡ください。資格を持った技術者が調査に伺います。
落ちたブレーカーの入れ方
何らかの原因でブレーカーが作動し落ちることを、トリップすると言います。トリップしたブレーカーは、多くの場合つまみが中立の位置(「入」でも「切」でもない、真ん中の位置)になっています。一度完全に切り、それから入れてください。この時、不具合が継続していれば火花が飛ぶ可能性もありますので、手袋を装着し慎重に行ってください。
まとめ
子ブレーカーが落ちた場合
- 落ちたブレーカーと時間を記録する
- ブレーカーの漏電表示があるか確認する
- 落ちた原因を排除する
- 復旧を試みる
- 復旧しなければ、技術者へ連絡する
主幹用ブレーカーが落ちた場合
- 落ちたブレーカーと時間を記録する
- ブレーカーの漏電表示があるか確認する
- 分電盤内のブレーカーの入切を確認し、記録する
- すべての子ブレーカーを切る
- 主幹ブレーカーを入れる
- 元々入っていた子ブレーカーを順番に入れる
- 主幹が再び落ちたところが原因、それを記録する
- 他の健全な回路を復旧する
- 落ちた原因を排除する
- 落ちた回路の復旧を試みる
- 復旧しなければ、技術者へ連絡する