上が区分開閉器(PAS)、下は電力需給用計器用変成器(VCT)

区分開閉器とは何ですか

区分開閉器は、電気を高圧(6600ボルトなど)で使用者(お客様)の敷地内に引き込む場合に、その引込点に設けられるスイッチです。一般に、PAS(Pole Air Switch)と呼ばれるものが多く設置されています。この区分開閉器は、電力会社等と電気の使用者との責任分界点になります。

区分開閉器にはどんな役割がありますか

電力会社等の発電所で発電された電気は、送電線を通って変電所へ送られます。いくつかの変電所を経由した後、電柱上の電線を通って使用者(需要家と言います)の敷地へ引き込まれます。この引込点に、区分開閉器が取り付けられます。区分開閉器を境に、使用者の敷地内に設置されている電気機器で発生した事故は当然ながら使用者の責任となります。

使用者が設置している機器が故障や事故を起こした場合、それが周囲の施設(企業や住宅など)に影響を及ぼす可能性があります。それを防ぐためにいくつかの機器が設置されています。その中で、最後の砦となるのが区分開閉器です。電気事故が責任分界点ギリギリで起きた場合、もしくは他の保護用の機器が動作しなかった場合に動作して、事故が起きたお客様の設備を瞬時に電力系統から切り離します

区分開閉器が故障していたらどうなりますか

電力会社の変電所は、系統のショートや漏電を検出すると直ちに停電させます。ショートや漏電は感電や火災・死傷事故の原因になるからです。そうなると、その系統に接続されている企業や住宅がすべて停電します。

お客様の設備で事故が発生し、区分開閉器が動作しなかった場合、その事故を変電所側が検出し停電させます。系統全体が停電するので、事故が復旧するまで、同じ系統に接続されている周囲の企業や住宅が停電することになります。これを波及事故(はきゅうじこ)と言います。これがどのような損害を生むかは、想像に難くないと思います。波及事故が発生した場合、経済産業省(九州では九州産業保安監督部)から報告を求められます。